火葬場から戻ったとき身を清めます
 火葬場から帰った人は、死の穢れを家に持ち込まないように、家に入る前に身を清める風習があります。家で留守番していた人が、水を入れた桶とタオル、小皿に盛った塩を玄関先に用意しておきます。帰ってきた人の両手にひしゃくでくんだ水を注ぎ、塩を肩や腕、足下などにかけます。
なお浄土真宗では清めをしません。
●神式では
家に入る前に神職が祓除の儀を行います。
●キリスト教式では
清めはしません。
  最近は、塩は会葬礼状にセットされているものを使うケースが多くなっています。また、死を「穢れ」とするのはおかしい、と浄土真宗以外の仏教でも清めをしないケースが増えてきています。
還骨法要は初七日と
一緒に営むことが多い
 火葬場から自宅に持ち帰った遺骨と位牌、遺影は後飾り壇に安置します。後飾りとは、香炉や燭台、花立てなどを置いた小さな祭壇のことで、忌明けの49日まで飾ります。遺族が火葬場に行って留守にしている間に葬祭業者の係員が設置します。遺骨を後飾り壇に安置したら、還骨法要(宗派によって呼び方は異なる)を行います。
 還骨法要に続けて、初七日の法要を営むのが一般的です。本来初七日の法要は、なくなった日を含めて7日目に行われます。しかし、遠方からの人に配慮して、繰り上げて行うことが一般的になりました。
●神式では
霊前に葬儀が滞りなく終了したことを告げる、帰家祭を行います。
●キリスト教式では
還骨法要にあたる儀式はありません。
北海道では四十九日、百か日も合わせて営む「くりあげ法要」が営まれることがあります。
宴席では遺族は末席に座ります
 葬儀後の宴席を精進落とし、またはお斎といいます。還骨法要の後に設けることが多いようです。精進落としは本来四十九日後ですが、葬儀でお世話になった人に感謝することをかねて、葬儀と同日日に行います。上座には僧侶や知人、友人、お手伝いしてくれた人が座り、遺族は末席に座ります。喪主は、葬儀が無事に終了したことに対するお礼を述べ、僧侶に献杯の音頭をとってもらいます。関係者が集まるので、法要や納骨の日程や内容について相談する良い機会です。遠方の人もいるので、一時間程度終えることが多いようです。
精進落としの由来

 精進落としは、四十九日まで肉食を断って、菜食にして喪に服していたのを、忌明けのときに終えることを意味していました。近年では、初七日法要の後に行われるようになっています。なお、葬祭後の宴席は忌中払い、お斎、直会(神道)などとも呼ばれます。

Tokyo Hakuaisha

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