病院で死亡したら霊安室へ移します
 医師から死亡を告げられたら、まず、その場に居合わせた人が末期の水をとります。その後清拭(死後処理)、着替えは病院が行ってくれます。着せたい衣服があるなら用意しておきましょう。遺族も希望すれば立ち会ったり、手伝いをすることができます。遺体の処理が終わったら、霊安室に移動して見守ります。
 霊安室は、遺体を搬送する手配が整うまでの仮の安置所です。霊安室での遺体の保管期間は、搬送などの準備が整うまでのほぼ半日を目安と考えましょう。
遺体を運ぶときには死亡診断書を携帯します
 遺体の搬出に先立って、遺族は病院関係者へあいさつや手続きを済ませたり、葬祭業者の手配をします。遺体を搬送する寝台車(バン型霊柩車)は、葬祭業者が用意してくれます。ストレッチャーで遺体を車内に移動し、自宅もしくは斎場に運びます。その場合、犯罪の嫌疑がかからないように、必ず医師の死亡診断書を携帯しましょう。深夜の場合、手続きは、改めて午前中に行うことがあります。病院に確認しましょう。
●伝染病で死亡した時
 法律では、死後24時間以内の遺体の火葬は禁じられていますが、死因が法定伝染病の場合は例外となります。法定伝染病とは、コレラ、腸チフス、赤痢、パラチフス、しょうこう熱、ジフテリア、ペスト、日本脳炎などです。
法定伝染病で死亡した人の遺体は、病院の霊安室に安置し、許可証を得てすぐに火葬に付されます。遺体を移動することは、感染を広げるおそれがあるのでしません。葬儀や告別式は、火葬して遺骨にした後で行うことになります。
臓器を提供するなら生前から準備しておきます
死後、自分の体をほかの人の健康や、医学の研究に役立ててほしいと考える人もいるでしょう。臓器の提供や献体のためには、生前に本人がその意思表示をすることが必要です。

●脳死、心臓死での臓器提供
 
脳死では、心臓、肝臓、肺、腎臓、膵臓など、心臓死では腎臓、膵臓、角膜、鼓膜などを提供できます。希望者は地元のアイバンクや臓器バンクに登録するか、意思表示カードに記入して携帯します。一枚の意思表示カードで、各臓器の提供の意志を表明できます。
●献体の場合
 献体を希望する人は、白菊会などの篤志家団体や近くの医科大学、歯科大学に、生前に家族の同意を得て申し込みます。本人が死亡したら、遺族は登録をしてある大学に連絡をします。
遺体は葬儀、告別式をすませた後、死後48時間以内を目安に大学に運ばれ、医・歯学生の解剖実習のために用いられます。その後は大学の責任で火葬に付され、遺骨は遺族のもとに戻されます。なお、遺骨が遺族に返されるまでには通常1〜2年かかります。
●ドナーカード●
ドナーカード

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