遺体は北向きに安置するのがしきたりです
 遺体は納棺までの間、布団に寝かせておきます。
このとき、仏式では、通常北枕(きたまくら)といって、頭を北向きにするのが基本です。部屋の構造上、頭を北向きにできないようなら、西に向けます。このようにして安置することを、枕直しといいます。
 顔に白い布(さらし布かガーゼ)をかぶせたり、仏式では、手を胸の上で合掌させることもあります。遺体を寝かせる布団は、上下ともの薄いものをそれぞれ1枚ずつ使用します。また、冬には部屋の暖房を切ります。これは遺体の腐敗を進ませないためです。
枕元を飾り、枕経をあげてもらいます
 遺体を安置したら、枕元に枕飾り(まくらかざり)と呼ばれる小さな祭壇を設けます。
●仏式の場合
白い布をかけた小机の上に、香炉、燭台、花立てなどを供えます。
●神式の場合
案(あん)と呼ばれる白木八足のテーブルの上に、枕飾りを作ります。普通の小机に白布をかけてもかまいません。案の上には、生饌(せいせん)【未調理の食べ物】や常饌(じょうせん)【調理済みの食べ物】を乗せ、榊を飾ります。
●キリスト教式の場合
本来、枕飾りはありませんが、小机に生花を飾ったりします。
仏式では、枕飾りを整えたら、菩提寺の僧侶にお経をあげてもらいます。これを枕経(まくらきょう)といいます。枕経は本来、死亡後すぐに行われるものですが、納棺の直前や通夜の前になることもあります。なお、このとき喪服を着る必要はありません。枕経を上げてもらったら、僧侶と葬儀の打ち合わせをしましょう。
北枕の意味

 北枕は、お釈迦様が亡くなったときの頭を北向きに、顔を西向きにしていたこと(頭北面西右脇臥)にならったものです。
頭を北向きにできないときには西向き、または部屋の右手に向けますが、これは部屋の状況に応じて判断します。
遺体の安置と枕飾り●
遺体の安置と枕飾り

TokyoHakuaisha

戻る