納棺に先立って、故人の衣類を着替えさせます。着替えは死後2時間以内に、死後硬直が始まる前に行うと容易です。
かつて仏教葬儀では、巡礼姿の死装束を施しました。故人とゆかりのある女性の手で縫われた「経帷子」と呼ばれる着物を着せ、脚絆、白足袋、わらじ、手甲を身につけます。経帷子は左前に着せ、足袋やわらじは左右逆に履かせるなど、ふだんとは逆にします。経帷子は、死者は仏教徒として修行する、という姿を表すためのものです。しかし、浄土真宗では、経帷子を用いず、浴衣などに着替えさせます。神式、キリスト教式では、死者の衣服については自由です。
最近では、経帷子を着せることは少なくなりました。新しい浴衣や、故人が生前愛用していた服を着せることが多くなっています。経帷子を使うときも、浴衣を着せた上からかけるというケースが多いようです。故人が、生前に希望していた服があるなら、それを着せてあげます。
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